特集 図表・チャートでパッと理解! ここまでわかった産婦人科の病態生理
第2章 腫 瘍
5.子宮肉腫
竹原 和宏
1
1国立病院機構四国がんセンター婦人科
pp.177-182
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000157
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Point
WHO分類第4版(2014年)でHG-ESSとundifferentiated sarcomaの定義が新しくなり,第3版までの定義で診断されている文献をあたるときは注意が必要である.
特異的な症状はないが,痛みや出血を伴い急激に増大する子宮腫瘍は子宮肉腫の可能性があり,注意が必要である.
子宮平滑筋肉腫では変性筋腫との鑑別が重要であるが,MRIで陽性的中率が66%と高くなく1),鑑別の困難な症例が多い.LG-ESSはworm-likeな浸潤パターンが特徴である.これらの子宮肉腫は診断時 I期が多く手術での摘出が検討されるが,腫瘍に切れ込みを入れることは腹腔内播種再発を誘発し予後を悪化させるので極力避ける.
HG-ESSは幅広い年齢で認められ,70%以上がStage III以上で診断され,予後不良である.
undifferentiated sarcomaは I期であっても予後不良である.
腺肉腫は他の子宮肉腫と比較すると予後良好である.
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