今月の臨床 産婦人科画像診断のセカンドチョイス
婦人科画像診断─どこまで可能か
3.子宮肉腫と子宮筋腫との鑑別―子宮肉腫の画像診断
竹内 聡
1
1岩手医科大学産婦人科
pp.963-969
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102405
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はじめに
子宮筋腫(leiomyoma : LM)は,子宮の腫瘍性疾患で最も罹患頻度の高い疾患であり,微小なものを含めれば,全女性のほぼ90%が罹患し,摘出子宮の約75%に存在する1).症状(腹部腫瘤,過多月経,不妊,月経困難)を有するものは,そのうち30~35%といわれている2).一方,子宮肉腫は,子宮平滑筋より発生する子宮平滑筋肉腫(leiomyosarcoma : LMS)と子宮内膜間質より発生する子宮内膜間質性肉腫(低悪性度,高悪性度)(endometrial stromal sarcoma : ESS)および希少ながら線維芽細胞由来の線維肉腫,悪性線維組織球腫(malignant fibrous histiocytoma : MHF),などに分類される.従来子宮肉腫として扱っていた癌肉腫は,子宮内膜腺細胞より発生し,上皮性の内膜癌に分類される1, 2).本稿では,主として良性の子宮筋腫と子宮平滑筋肉腫における治療前鑑別診断につき述べることにする.
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