特集 図表・チャートでパッと理解! ここまでわかった産婦人科の病態生理
第2章 腫 瘍
6.子宮内膜症関連卵巣がん
小林 浩
1
1ミズクリニックメイワン
pp.183-188
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000158
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子宮内膜症の病巣,囊胞内および腹腔内環境の変化は発がんと密接に関係する.くり返す出血のため酸化ストレス優位な環境にさらされた子宮内膜症細胞は,エピジェネティックな異常および遺伝子変異を獲得したクローンが増殖する.さらに,子宮内膜症細胞は生存に必要なエネルギーを酸化的リン酸化より解糖系から産生し,活性酸素種(ROS)を可能な限り排除し生存に有利な環境を構築し,子宮内膜症関連卵巣がんへと変化する.子宮内膜症のがん化を臨床的に診断するためには,定期的な経腟超音波検査と腫瘍マーカーの測定が必要である.前者では,囊胞サイズの変化や隆起性病変の出現に注意し,後者ではCA125と新規卵巣がんマーカーである組織因子経路インヒビター2(TFPI2)の組み合わせ検査が選択肢としてあげられる.
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