病気のはなし
子宮の肉腫
萩原 聖子
1
,
加来 恒壽
2
1九州厚生年金病院産婦人科
2九州大学大学院医学研究院保健学部門
pp.1126-1130
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102977
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サマリー
子宮肉腫は子宮悪性腫瘍の約4~9%と非常に稀な腫瘍で,予後は極めて不良である.病理組織学的には平滑筋肉腫,癌肉腫,内膜間質肉腫の三つに分類される.組織発生学的に複雑で,その機序は十分に解明されていない.主として閉経後に発症し,不正性器出血を訴えることが多く,時に子宮が急速に増大して見つかる場合もある.特異的な腫瘍マーカーはなく,画像診断を駆使しても術前診断は困難で,特に子宮筋腫との鑑別が問題となることが多い.直接周囲の臓器に波及し,リンパ行性あるいは血行性に転移する.治療は手術療法を優先するが,標準術式や術後追加治療(放射線療法や化学療法)などの治療方針についても,いまだ確立されていない.
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