特集 こんなときどうする?他科とのコミュニケーションガイド
(第8章)腎臓内科・泌尿器科 骨盤臓器脱
布施 美樹
1
,
石塚 満
,
山西 友典
1獨協医科大学病院 排泄機能センター
キーワード:
ペッサリー
,
術後合併症
,
術中合併症
,
尿失禁-腹圧性
,
腹腔鏡法
,
膀胱疾患
,
骨盤内臓器脱
,
ロボット手術
,
保存的療法
,
生活指導
,
腟固定術
Keyword:
Urinary Bladder Diseases
,
Intraoperative Complications
,
Conservative Treatment
,
Urinary Incontinence, Stress
,
Laparoscopy
,
Pessaries
,
Postoperative Complications
,
Robotic Surgical Procedures
,
Pelvic Organ Prolapse
pp.355-360
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022140481
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<産婦人科医におさえてほしいポイント>骨盤臓器脱は脱出に伴う症状だけではなく様々な排尿症状を伴うことが多い。特に初診時点でstage III以上では無自覚に高度の残尿や水腎症などを伴っていることが多く、残尿エコーや腎エコーでのスクリーニングで異常を認めた場合は泌尿器科医へ相談する。腹圧性尿失禁は術後の新規発症や増悪が一定の確率で起こるので事前に患者に説明しておくのが重要である。術後3ヵ月たっても自然改善しないようであれば泌尿器科に治療介入を依頼する。骨盤臓器脱の術式にはNTR、TVM、LSC・RSCがあり、それぞれの特性を理解し症例に適した術式を選択することが重要である。ロボット手術の保険収載に伴い今後本疾患の手術に参入する医師の増加が予想されるが、骨盤臓器脱は良性疾患でありPOP-Q stage III以上の重症例であっても自覚症状や機能障害がなければ保存療法で管理可能なことも多いことを念頭に、手術適応は慎重に決める必要がある。
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