症例
レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)による子宮穿孔の1例
長島 香
1
,
西岡 利泰
,
曾原 雅子
,
渡邉 喜久雄
,
中佐藤 利一
1北海道勤医協札幌病院 産婦人科
キーワード:
異物移動
,
月経困難症
,
産褥
,
子宮穿孔
,
薬物添加子宮内避妊具
,
腹腔鏡法
,
腹部X線診断
,
母乳栄養
,
Levonorgestrel
,
腹部CT
Keyword:
Breast Feeding
,
Foreign-Body Migration
,
Uterine Perforation
,
Dysmenorrhea
,
Levonorgestrel
,
Laparoscopy
,
Intrauterine Devices, Medicated
,
Radiography, Abdominal
,
Postpartum Period
pp.751-754
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2021218439
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レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)は黄体ホルモンを子宮内に持続的に放出することにより避妊のみでなく月経困難症や子宮内膜症の疼痛、過多月経の治療として有用である。今回われわれはLNG-IUSの子宮穿孔例を経験したので報告する。症例は33歳、2妊2産。第2子経腟分娩後4ヵ月、月経痛治療目的でLNG-IUS挿入を希望し受診。挿入後1ヵ月の再診でLNG-IUSの子宮穿孔、骨盤腔内迷入を診断した。他臓器損傷や感染、癒着はなく腹腔鏡下手術でこれを除去した。適切に挿入したにもかかわらず穿孔をきたしたので医薬品医療機器総合機構(PMDA)が行っている医薬品副作用被害救済制度が適応されると考えた。患者本人から機構に申請し医療費が給付されている。日本でのLNG-IUS子宮穿孔報告例は医学中央雑誌で3論文と少ないが欧州では子宮穿孔データを集積しており産後36週以内と授乳中の2つが子宮穿孔リスクとして報告されている。今後、日本でも産後のLNG-IUS使用例が増えていくと予想されるが子宮穿孔リスク、穿孔時の対処法について認識しておくことが必要と考えた。
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