特集 画像!-エキスパート直伝 産婦人科画像診断-
(第3章)女性医学 静脈血栓塞栓症(VTE)
松尾 汎
1
1松尾クリニック
キーワード:
超音波診断
,
静脈血栓塞栓症
Keyword:
Ultrasonography
,
Venous Thromboembolism
pp.260-271
発行日 2021年3月25日
Published Date 2021/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2021180199
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<Point!>・VTE[pulmonary thromboembolism(PTE)+deep vein thrombosis(DVT)]は、産婦人科領域では、比較的遭遇する頻度の高い疾患である。DVTの検査法として静脈エコーが無侵襲に、実時間で静脈内を観察できるので、是非、修得して頂きたい。・検査は、(1)下肢腫脹や下肢痛などの症状が有る場合と、(2)下肢に症状はないがPTEの塞栓源を検索する場合との2つに分けて実施する。すなわち、下肢の有症候例には習得が容易で、救急現場で数分でできるproximal CUS(近位静脈エコー:2点法又は3点法)がお勧めであり、一方、下肢無症候例には下肢全域の深部静脈を検査するwhole leg US(全下肢エコー)を実施する。前者はDダイマー検査とあわせるとより有効であり、後者は検査室でのルチンの下肢静脈エコーとして汎用されている。・DVT治療(最近はDOACの登場などで進歩)の方針決定には、(1)存在部位と拡がり:中枢型(腸骨-大腿-膝窩)と末梢型(下腿)、(2)血栓発生時期:急性期と慢性期、(3)浮遊型血栓(中枢端の可動性)を評価する必要がある。また治療中や治療後の経過観察にも有用である。
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