特集 DOACの常識・非常識-抗血栓療法新時代に向けて-
診る 深部静脈血栓症・肺塞栓症を見逃さないために 実地医家の役割
松尾 汎
1
1松尾クリニック
キーワード:
医師の役割
,
危険因子
,
鑑別診断
,
肺塞栓症
,
静脈血栓症
,
静脈血栓塞栓症
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Physician's Role
,
Pulmonary Embolism
,
Risk Factors
,
Venous Thrombosis
,
Venous Thromboembolism
pp.16-24
発行日 2017年1月9日
Published Date 2017/1/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017113616
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深部静脈血栓症(deep vein thrombosis;DVT)は,主に下肢の深部静脈に血 栓が生じて閉塞し,還流障害をきたした状態である1 ,2)。DVTは「いわゆるエコ ノミークラス症候群(long fright syndromeともいう)」とも関連して知られ,重 篤な合併症である肺塞栓症(pulmonary embolism;PE)と併せて「静脈血栓塞 栓症(venous thromboembolism;VTE)」とも称される。症状をきたしたDVT 例の約50%に肺血流スキャンでPEが検出され,一方,PE確定診断例の約70% に静脈血栓が指摘されている。本稿では,それら診療には実地医家と専門医の連 携(表1)が必須で,その早期診断・早期治療が重要との視点から,実地医家が日 常診療で留意しておくべきVTE診療の概要を述べる。
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