Special feature 施設・場面など特性に合わせた感染対策の工夫
❶精神科病院の特殊性と感染対策
鈴木 健一
1
1地方独立行政法人静岡県立病院機構静岡県立こころの医療センター 救急病棟診療科医長/感染対策室長
pp.83-88
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000380
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精神科病院は一般病院に比べて入院日数が長く(精神病床の平均在院日数275.1日[一般病床16.1日][令和3年]),そのため入院環境は集団生活の場ともなる。患者が並んで食事をし,皆でひとつのテレビをみたり,ひとつのテーブルを囲んで談笑したりトランプなどのゲームをしたりしている光景は,どこの精神科病院でも日常的にみられている。治療プログラムとして作業療法や集団精神療法も行われ,皆で集まって活動することで病識や社会性を獲得し,退院後の生活に必要なスキルを身につけていく。つまり,精神科診療は「密閉」「密集」「密接」のいわゆる「3密」のもとで成り立っている。しかしそこへ新型コロナウイルス感染症のパンデミックが起こったため,精神科病院でも感染対策は避けて通れない課題となった。
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