Special feature CDI・ノロウイルス感染症との戦い方 腸管感染予防策
■Update 1 CDIの新しい動きを探る
❷CDIのガイドライン
-―海外ガイドライン改訂のポイントと国内ガイドライン策定の動き
山﨑 行敬
1
,
高野 知憲
2
,
國島 広之
3
1聖マリアンナ医科大学 感染症学講座 助教
2聖マリアンナ医科大学 感染症学講座
3聖マリアンナ医科大学 感染症学講座 教授
pp.38-43
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000016
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はじめに
Clostridioides(Clostridium)difficile感染症(CDI)は,国内外における医療関連感染症として最も多く見られる嫌気性菌感染症である。2016年に,Clostridium difficileはClostridioides difficileに命名変更されている。特に欧米ではPolymarase Chain Reaction(PCR)リボタイプ027株や078株などのトキシン産生性の高い強毒株があり,医療関連感染症だけでなく市中感染症としても多く見られる。患者の予後にも大きく関わるとともに,芽胞を形成するためアルコール耐性であり院内伝播しうる感染症として大きな問題となっており,海外では米国医療疫学学会(SHEA)/米国感染症学会(IDSA)〔2010年〕1),米国消化器病学会(ACG)〔2013年〕2),欧州臨床微生物感染症学会(ESCMID)〔2014年〕3),世界救急外科学会(WSES)〔2015年〕4),豪州感染症学会〔2016年〕5)などの各学会からガイドラインがあり,2017年にはSHEA/IDSAガイドラインの改訂が行われた6)。我が国でも2018年10月に日本化学療法学会/日本感染症学会によるガイドラインが刊行されている7)。
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