Special feature CDI・ノロウイルス感染症との戦い方 腸管感染予防策
■Update 1 CDIの新しい動きを探る
❶CDIの疫学と現場問題
-―世界と日本の最新事情
森 伸晃
1
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター 総合内科/院内感染対策室 副室長
pp.33-37
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000015
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はじめに
Clostridium(Clostridioides)difficileは,1978年にBartletらにより抗菌薬関連腸炎の原因微生物として認識され1),その後特に入院中に抗菌薬使用中に起こる下痢症の原因として知られるようになった。2000年以降は北米や欧州を中心にBI/NAP1/027と呼ばれる強毒株の出現と拡散により,重症例や死亡率の増加が報告されその疫学は大きく変化した。一方,日本やアジア地域ではBI/NAP1/027の分離は稀であり,欧米とは状況が異なる(表1)2,3)。本稿では前半でClostridium(Clostridioides)difficile Infection(CDI)の疫学に関して世界と日本の状況について述べ,後半で現場での問題について述べていく。
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