特集 トラブル回避で感染症予防 感染制御のための皮膚管理
皮膚管理・関連製品の最新情報と選び方 手袋 アレルギーを踏まえたベストチョイス
加藤 恭郎
1
1天理よろづ相談所病院 緩和ケア科
キーワード:
ラテックス
,
果実
,
機器の安全性
,
労働衛生
,
散剤
,
手術手袋
,
選択行動
,
デンプン
,
腹膜炎
,
費用と費用分析
,
ラテックスアレルギー
,
加硫促進剤
,
ラテックス-果物症候群
Keyword:
Choice Behavior
,
Costs and Cost Analysis
,
Fruit
,
Equipment Safety
,
Latex
,
Gloves, Surgical
,
Peritonitis
,
Powders
,
Occupational Health
,
Latex Hypersensitivity
,
Starch
pp.191-196
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2018337356
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はじめに
医療用手袋には手術用手袋(滅菌)と検査・検診用手袋(おもに未滅菌)がある。手術用手袋は1890年,ウィリアム・ハルステッドにより実用化された。当時は昇しょうこうすい汞水(塩化第二水銀)による手指消毒が行われていたが,皮膚障害が必発であった。そこで手指消毒をする代わりに蒸気滅菌した薄手の手袋を用いるようにしたことで手術用手袋が普及した。一方,未滅菌手袋については1980年代のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA),ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの感染拡大を契機に,米国疾病管理予防センター(CDC)の啓発によって広く使われるようになった。
このように患者,医療従事者を守るために使われ始めた医療用手袋であるが,手袋のパウダー,ラテックス抗原,加硫促進剤などが患者や医療従事者に害をおよぼすことが明らかになった。これらの問題の多くにアレルギーが関与している。その現状,動向について紹介する。またこれらの問題を解決した製品の有用性,課題を述べる。
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