特集 トラブル回避で感染症予防 感染制御のための皮膚管理
感染対策にはなぜ皮膚管理が重要なのか 皮膚トラブルと感染症の深い関係
金光 敬二
1
1福島県立医科大学 感染制御学講座
キーワード:
感染
,
皮膚
,
皮膚疾患
,
皮膚疾患-感染性
,
感染症伝播
,
軟部組織感染症
,
手指衛生
Keyword:
Infections
,
Skin Diseases, Infectious
,
Skin
,
Skin Diseases
,
Disease Transmission, Infectious
,
Soft Tissue Infections
,
Hand Hygiene
pp.185-190
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2018337355
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はじめに
人体において皮膚で覆われていない部分は,眼球結膜,眼瞼結膜,鼻粘膜,口腔粘膜,気道粘膜,泌尿生殖器粘膜などの粘膜で外界と交通している。これらの粘膜面には,粘液,線毛,リゾチーム,分泌型IgAなどの防御システムがあるものの細菌やウイルスの侵入門戸となっている。実際,感染症の中で呼吸器感染症と尿路感染症の頻度が高いのもこのためである。一方,体表のほとんどは皮膚で覆われており,外界から細菌やウイルスが侵入するのを防ぐバリアの役割を担っている。しかし,皮膚に何らかの障害が起こった場合は,このバリア機能が破綻し各種感染症を惹起することとなる。ここでは皮膚管理の重要性を様々な角度から考察してみたい。
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