日本看護協会
副会長活動ダイジェスト
任 和子
1
,
山本 則子
1
,
勝又 浜子
1
1日本看護協会 副会長
pp.9-9
発行日 2025年9月20日
Published Date 2025/9/20
DOI https://doi.org/10.32181/jna.0000002274
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- 文献概要
退院後に見えた現実と支えの大切さ
交通事故による骨盤骨折で入院していた家族が、5カ月ぶりに帰宅。つえもなく階段も登れるまでに回復し、期待以上でした。しかし現実は想像以上に厳しいもので、病院は整った環境で生活が支えられていましたが、自宅では効率が悪く消耗し、基礎疾患のない50代後半の体でも夕方には力尽きてしまいます。退院から10日ほどで実感したのは、「退院後のほうがむしろ厳しい」ということでした。入院中は「退院」という明確な目標があり努力できましたが、退院後は目標が分散し、思うように動かない体とのギャップに失望感が募ります。体調を崩せばリハビリも滞り、不安は増すばかりです。この経験から、退院直後をどう乗り切るかを支える重要性を痛感しました。食事が摂れ、排泄が整い、眠れる環境があること。そして「次の外来まで持ちこたえる」という小さな目標を重ねることが暮らしを続ける力になります。退院後の生活に寄り添う看護の視点は、本人にも家族にも大きな支えになると感じています。
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