Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
内容のポイント Q&A
Q1 慢性疼痛に対する効果とその機序は?
先行研究より複数回の反復経頭蓋磁気刺激治療によって4割程度の患者で30%以上の疼痛緩和が得られると示されている.また,末梢神経性疼痛よりも中枢神経性疼痛の治療効果が高いとされる.作用機序としては,内因性オピオイドの放出,感覚処理ネットワークの変調,神経炎症の制御等の複数のメカニズムが疼痛緩和に寄与していると考えられる.
Q2 磁気刺激の実践方法は?(臨床現場での実践方法や効果的な実施期間)
慢性疼痛に対する反復経頭蓋磁気刺激治療の標的領域は一次運動野である.刺激パラメータは,5 Hz以上の高頻度,刺激強度は標的筋の安静時閾値の80~90%,1回の治療での総パルス数が1,000発以上,刺激時間10分以上が有効とされている.実施頻度は,導入期では週に3回以上の高頻度で実施し,治療効果に応じて実施間隔を広げていく維持期へ移行する方法が推奨されている.
Q3 併用するリハビリテーション治療は?
反復経頭蓋磁気刺激治療と運動療法を併用することで疼痛緩和が得られるという報告は散見されるが,エビデンスの確立には至っていない.慢性疼痛は単一の治療法を適用するのではなく,さまざまな職種が複数のアプローチを行う学際的な治療が重要とされているため,多面的な治療が求められる.心理的なアプローチとして認知行動療法やマインドフルネス等の併用が可能と考える.
Q4 臨床での課題と将来展望は?
慢性疼痛に対する反復経頭蓋磁気刺激治療は,その有効性や疼痛緩和の機序が徐々に解明されつつあるものの,金銭的な導入コストの高さや治療に一定の時間と人員が割かれること,専門的技術を要することから,国内での普及は限定的というのが課題である.治療効果の増大や反応率の向上のために刺激パラメータや実施頻度の検証も必要である.

Copyright© 2026 Ishiyaku Pub,Inc. All rights reserved.

