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特集 経頭蓋磁気刺激とリハビリテーション
高次脳機能障害(失語・半側空間無視)に対する反復性経頭蓋磁気刺激療法(rTMS療法)
Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation(rTMS)Therapy for Cognitive Dysfunction(Aphasia and Unilateral Spatial Neglect)
田中 政貴
1
,
中村 拓也
2
,
水野 勝広
2
Masaki Tanaka
1
,
Takuya Nakamura
2
,
Katsuhiro Mizuno
2
1東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学,神奈川県厚生連伊勢原協同病院リハビリテーション科
2東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学
キーワード:
ニューロリハビリテーション
,
大脳半球間抑制理論
,
失語
,
半側空間無視
Keyword:
ニューロリハビリテーション
,
大脳半球間抑制理論
,
失語
,
半側空間無視
pp.37-43
発行日 2026年1月15日
Published Date 2026/1/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr035010037
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内容のポイント Q&A
Q1 高次脳機能障害(失語・半側空間無視)に対する効果とその作用機序は?
反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)は刺激頻度,強度,回数を変化させることにより,大脳皮質の活動を興奮性にも,抑制性にも変化させることができる.脳卒中により左右の大脳半球間の抑制がアンバランスとなるが,rTMSによって損傷半球の賦活または非損傷半球の抑制を図ることで神経機能が改善する可能性がある.
Q2 磁気刺激療法の実践方法は?
失語に対しては右下前頭回(IFG)に対する1 Hzの低頻度刺激,半側空間無視に対しては左後部頭頂皮質(PPC)に対する1 Hzの低頻度刺激やcTBSの報告が多い.頻度や強度,期間に関してはまだコンセンサスが得られておらず,今後のプロトコルの確立が求められる状況である.
Q3 併用するリハビリテーション治療は?
失語,半側空間無視において,rTMSとの併用で特異的効果を示すリハビリテーションは報告されていない.失語に対し多くの報告ではrTMSと集中的な言語訓練を併用しており,CIAT(constraint-induced aphasia therapy),M-MAT(multi-modality aphasia therapy)等も用いられる.半側空間無視に対しては「気づき」を促し,自発的な空間探索を促すトップダウンアプローチが併用される.
Q4 臨床での課題と将来展望は?
わが国においては,脳卒中後のrTMS治療は保険適用ではないため,調査研究的な治療となり,実施可能な施設が限られる.国内外で有用性のエビデンスが蓄積されつつあり,今後,治療適応の拡大とともに導入施設が増えることを期待したい.

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