Close-up 最新物理療法
磁気刺激
樋口 拓哉
1,2
Takuya HIGUCHI
1,2
1タムス浦安病院
2千葉大学大学院医学研究院脳神経内科学
キーワード:
末梢神経磁気刺激
,
ニューロモデュレーション
,
筋力増強
,
摂食嚥下
Keyword:
末梢神経磁気刺激
,
ニューロモデュレーション
,
筋力増強
,
摂食嚥下
pp.457-461
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203024
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はじめに
ヒトに対する磁気刺激の研究は1980年代から歴史があり,近年ニューロモデュレーション技術として注目を集めている(表1)1).1980年に大脳皮質の運動野と後頭野に非侵襲的な電気刺激で上肢の筋活動電位を観測した2).1982年には正中神経に電気刺激と磁気刺激を与え筋電図で同様の波形が得られたと報告され3),1985年には一次運動野に磁気刺激し対側の手の筋から筋電図を記録し4),尺骨神経に磁気刺激し同様に波形を記録している5).
ニューロモデュレーション技術の中枢神経系に対する磁気刺激の反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation:rTMS)は,電流をコイルに流すことで頭蓋内にパルス磁場を発生させ,標的とする大脳皮質の神経活動を促進または抑制することが可能である.脳へ直接アプローチすることからリハビリテーション治療のプレコンディショニングとして期待されている.一方,末梢神経系に対する磁気刺激の反復末梢神経磁気刺激(repetitive peripheral magnetic stimulation:rPMS)は,α運動ニューロンやⅠa感覚ニューロンにアプローチすることから,筋活動の促進や相反性抑制などの効果が期待されている.
本稿は,rPMSのリハビリテーションにおける活用について解説する.
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