医学的リハビリテーション

Medical Rehabilitation

内容のポイント Q&A

Q1 高次脳機能障害者に対する医学的リハビリテーションとは？

急性期から生活期に至る全過程において，医療機関が主体的に行うリハビリテーション医療を指す．高次脳機能障害者の生活の質を最大限に回復させるために，社会的，教育的，職業的側面を包含し，多職種が関与する包括的アプローチを行う．

Q2 急性期の高次脳機能障害への視点は？

原因となる疾患の治療（高次脳機能障害の原因疾患の8割は脳血管障害，1割は脳外傷）が主体となる．発症，受傷時，意識障害を伴う重症例であれば，高次脳機能障害は必発する．患者，家族への説明とともに，回復期以降への連携体制を準備する．

Q3 回復期における高次脳機能障害へのリハビリテーションとは？

ADL訓練，拡大ADL訓練へと進める．高次脳機能障害が認められる場合，診断，対応方法，機能的予後を患者，家族に説明する．さらに，回復期リハビリテーションが終了する時点で，社会性の拡大を目的に地域との連携を行う．就労を目的とする場合は，就労継続支援A型・B型事業所，就労移行支援事業所，障害者職業能力開発校，地域障害者職業センター，広域障害者職業センター等の就労支援機関等がある．

Q4 生活期のリハビリテーション医療とは？

高次脳機能障害の評価をもとに，患者，家族と共に，短期目標，長期目を設定する．その目標実現を目指して，環境調整，要素的訓練，代償訓練，実際訓練，行動変容療法，認知行動療法，薬物療法，職業リハビリテーション，就学支援等を行う．