特集 肥満症とリハビリテーション治療
Column 体重や体格差を克服するケア技術,福祉用具利用,環境調整
新國 悦弘
1
1東北大学病院リハビリテーション部
pp.1039-1041
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034101039
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体重や体格差を克服するケア技術
当院で肥満症患者をケアする際に意識していることは,①男性スタッフを担当にする,②対応するスタッフを増やすようにする,③ケアやリハビリテーションでの介助の際に動画で撮影するである.特に,動画撮影に関しては,スタッフ間で共有することで,ケアや介助方法の統一化を図ることが可能となる.加えて,介助方法の再検討に用いることで,介助量を軽減し,スタッフの身体的な負担軽減を図るようにしている.
図1は,肺炎と蜂窩織炎によって敗血症性ショックとなった50歳代の男性(入院時体重:205 kg)の座位練習の場面である.全身管理のため1週間,鎮静下での人工呼吸器管理となったことから,起居動作が困難となってしまった症例である.リハビリテーション開始当初は,起き上がる動作にはスタッフ3名(理学療法士1名,看護師2名)を要したため,起き上がりやベッドへ戻る動作の手順や介助方法を動画で撮影し,スタッフ間で共有した.

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