最新版! 摂食嚥下機能評価―スクリーニングから臨床研究まで
15. VFの定量解析
中尾 雄太
1
1大和大学保健医療学部総合リハビリテーション学科
キーワード:
VF検査
,
定量解析
,
フリーソフトウェア
Keyword:
VF検査
,
定量解析
,
フリーソフトウェア
pp.945-951
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034090945
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背景と目的
嚥下造影検査(videofluoroscopic examination of swallowing;VF)は,X線透視下で食塊の通過や嚥下関連器官の動態を観察する検査法であり,嚥下機能評価のゴールドスタンダードとされている.現在では多くの医療機関において日常的に実施され,嚥下障害の診断や代償手技の有効性評価に幅広く活用されている.
VFが開始された1950年代は,シネフィルムを用いてアナログ形式で記録されていた 1).近年ではデジタル化が進み,検査映像は高画質な動画として保存・再生が可能となっている.定量解析に関しては,1960年代の段階で実施されていたが,フィルム映像をトレースする手作業が主流であり,解析には多大な時間と労力を要していた 2).一方,現在ではデジタル技術の進歩により,解析の効率化が進んでいる.動画データの取り込みやフレーム単位での計測が容易となり,従来と比較して大幅な時間短縮が実現している.しかしながら,定量解析の臨床応用は依然として限定的であり,実際の現場でルーチンには活用されていない.

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