Japanese
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講座 評価法(6)
リハビリテーションにおける嚥下障害の評価
Evaluation of the Dysphagic Patient in Rehabilitation Medicine.
椿原 彰夫
1
,
千野 直一
1
Akio Tsubahara
1
,
Naoichi Chino
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine.
キーワード:
嚥下障害
,
評価
,
VF検査
Keyword:
嚥下障害
,
評価
,
VF検査
pp.435-441
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106074
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はじめに
重度の脳血管障害や筋萎縮性側索硬化症,パーキンソン病,喉頭の手術などによる嚥下障害は,生命維持の観点においてもquality of life(QOL)を考える上からも重要な問題である.嚥下性肺炎をしばしば繰り返し,そのために鼻腔経管栄養の状態のままリハビリテーション(以下,リハビリと略す)専門病院に転院となる場合も最近では少なくない.このような嚥下障害の症例は,これまで特別な手段を講じられることなく,「摂食という喜びの喪失」と「経管の重症なイメージ」だけが与えられていた.しかしながら,近年の嚥下障害に対するリハビリの進歩により1~9),機能障害そのものへのアプローチと能力低下への対応が次第に確立されてきた.我が国では,脳血管障害を中心とした嚥下障害に関する才藤らの治療体系6,9)が包括的で理解し易いことから,よい評価を得ている.
本稿では,リハビリ医療の場面で嚥下障害に遭遇した際の評価法を取り上げて解説したい.なお,臨床上必須である嚥下ビデオレントゲン検査(Videofluorography:VF検査と略す)は,一見とりつきにくい感じを与えるため,特にわかりやすく説明する.
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