Japanese
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特集 認知症に対するリハビリテーション医療
認知症に対する言語リハビリテーション
Rehabilitation of Language Disorders in Patients with Dementia
太田 祥子
1
,
鈴木 匡子
1
Shoko Ota
1
,
Kyoko Suzuki
1
1東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学分野
キーワード:
言語障害
,
原発性進行性失語
,
リハビリテーション
,
薬物療法
Keyword:
言語障害
,
原発性進行性失語
,
リハビリテーション
,
薬物療法
pp.924-928
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034090924
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内容のポイント Q&A
Q1 認知症で生じる言語障害の特徴は?
全般的な認知機能の低下に伴って言語障害を呈するだけでなく,病初期においては特定の言語機能のみが障害される場合がある.原発性進行性失語は,言語症状が前景に立つ臨床症候群であり,非流暢/失文法型,意味型,ロゴペニック型に分類される.
Q2 認知症で生じる言語障害の評価は?
診察場面においては,言語障害を意識しながら問診やスクリーニング検査を行う.より詳細な言語機能検査としては,標準失語症検査やWAB失語症検査日本語版等を用いる.背景疾患によっては,進行とともに運動障害性構音障害を合併する場合もあるため,その評価も必要である.
Q3 どのようなリハビリテーションが有効か?
原発性進行性失語の場合は,各臨床型の中核症状に焦点を当てたアプローチが多い.認知症性疾患においては,言語機能訓練だけでなくコミュニケーション支援や日常生活支援も重要である.言語以外の保たれている機能も活用しながら,リハビリテーションを進めていく.言語障害や認知機能障害が進行していくことを踏まえたうえで,個人や病態に合わせた介入が求められる.
Q4 薬物療法等,他の治療法は?
背景となる神経変性疾患に対する治療が,言語機能の改善や維持においても効果をもたらす場合がある.レビー小体型認知症が背景疾患として疑われる症例に対してコリンエステラーゼ阻害薬を用いたところ,言語機能の改善に寄与したという報告がある.

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