特集 がん学際領域とリハビリテーション医学・医療─多学際領域との協働で奏でる臨床腫瘍学の未来
特集にあたって
辻 哲也
pp.121-121
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034020121
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- 文献概要
がん医療の進歩は目覚ましく,治療の個別化や新規治療法の開発,医療技術の進歩により死亡率は年々減少し,地域がん登録における全がん(2009〜2011年診断症例)の5年相対生存率は64.1%に達する.また,根治が難しい担がん状態においても生存期間の延長が可能となり,がんが慢性疾患化しつつある.その一方で,がん患者の抱える問題は多様化・複雑化しており,単一の診療科や職種による対応では限界がある.このような背景から,がん診療における学際的アプローチの重要性が近年ますます認識されるようになってきた.がん学際領域とは,腫瘍学を中心として,複数の専門分野が有機的に連携し,患者中心の包括的ながん医療を実現しようとする新しい診療体制である.この中で,リハビリテーション医学・医療は,がん患者のQOL向上と機能維持・回復において極めて重要な役割を担っている.
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