特集 社会認知研究の最近の動向
特集にあたって
村井 俊哉
1
Toshiya MURAI
1
1京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座
1Department of Neuropsychiatry, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
pp.5
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205090
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社会神経科学social neuroscienceという研究領域が提案されてから20年を超え,精神医学の分野に限っても,社会認知social cognitionをテーマとした研究は厖大な数に及んでいる。本特集に先駆けて,すでに一般精神科医向けの雑誌でも社会認知・社会神経科学については繰り返し特集が組まれているし,精神科関係の学会シンポジウムでもこのテーマが取り上げられる機会は多い。結果として社会認知・社会神経科学は,この領域の研究に直接携わっているわけではない一般の精神科医にとっても比較的馴染みのある概念となっている。
このような状況を踏まえ,今回の特集では,精神疾患についての社会認知研究を網羅的・体系的にカバーすることを目指すのではなく,この領域の第一線で活躍する研究者に,社会認知という広大な研究領域の中でそれぞれテーマを絞って,最近話題となった研究を中心に執筆いただくことをお願いした。本誌の読者は臨床精神科医が多数派であると想像するが,そのような読者の皆さんにこの研究領域の広がりを感じていただくために,執筆陣には動物研究や乳児研究を専門とする研究者にも加わっていただいた。
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