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内容のポイント Q&A
Q1 病院機能に即した入退院支援で求められるものは?
君津中央病院(以下,当院)は二次医療圏内で唯一の救命救急センターを有し,年間約10,000人の救急患者,5,000台以上の救急車搬入に対応していることから,救急患者が速やかに入院できるよう回復期病院等への転院促進をはじめとする病床管理を行っている.一方,難病・がん相談支援センター等を有することから,周辺医療機関では対応が難しく専門性が要求される症例は入院期間が長期化することもあるため,在宅に戻っても困ることのない環境設定を整えることを優先して対応している.
Q2 入退院支援チームの役割と実践は?
看護師は,定期入院患者に対する入院前支援担当と入院後支援担当に分担している.当院は医療ソーシャルワーカー(MSW)の人数が少ないことから,入退院支援加算における専従は看護師が,専任はMSWが担当している.入退院支援看護師は医師同士で転院交渉が進んでいる症例の補助や,入院前からケアマネジャーが介入している症例を中心に担当し,MSWは回復期病院への転院やケアマネジャーを新規導入する症例や金銭面等,社会的に問題がある症例を担当している.
Q3 関係機関との連携・調整は?
入退院支援クラウドサービスの導入により,業務時間の短縮,現在の転院待ち状況の可視化に成功した.週1件以上を目標として,周辺医療機関への訪問・面談を実施し,当院への要望を確認している.必要に応じて当院専門職を派遣し指導も行っている.地域医療機関や在宅療養支援診療所等の医療・介護従事者と,がんに関する医療提供体制や社会的支援,緩和ケアについて情報を共有する機会を年2回開催し,地域内での「顔のみえる連携」を積極的に構築している.
Q4 特別な支援を要するケースへの対応は?
当院は地域の基幹病院として多数のがん患者,難病患者を診療していることから,外来の段階から積極的に福祉の観点でサポートを実施しており,中でも「治療と仕事の両立支援」に積極的に取り組んでいる.急性期病院という特性上,入院日数を長期化することは原則的に避けたいが,公立病院でもあるため,いわゆる身寄りなし患者等の次の行き先に難渋する症例では,長期療養先が決定するまで半年近くの入院継続を余儀なくされることもある.
Q5 リハビリテーションチームがかかわる生活に配慮した支援は?
急性期脳血管疾患等の入院患者における環境設定は基本的に後方連携先に依頼することが多いが,小児に関しては,医療圏における施設と療法士の数がともに不足していることもあり,児童発達支援センターに非常勤で療法士を派遣している.通学における問題点サポートのために学校関係者と話し合いを行っている.また,生活期に入った脳血管障害後遺症患者の自動車運転再開評価を積極的に引き受けている.
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