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内容のポイント Q&A
Q1 特定機能病院に即した入退院支援で求められるものは?
特定機能病院にはその役割からも,①在院日数の短縮化と支援の質の両立,②特殊疾患や高度な治療・医療依存度の高さへの対応,③複雑な社会問題を抱えた患者への適切な対応,④重症患者・家族への心理的ケア等が求められる.切れ目のない支援を継続させるために,多機関と有機的な連携を図り,地域包括ケアシステムの構築と推進が求められている.
Q2 入退院支援チームの役割と実践は?
入院前から退院支援を視点に入れて,患者が入院から退院するまでのプロセス全体を,スムーズかつ安全に進行させるPFM(patient flow management)の実現が求められている.千葉大学医学部附属病院では入退院支援にかかわる業務を4セクションに分け,そのうちの1つの部門として対応し,部会やセクションミーティングを通して業務間調整を行うことで,部分最適ではなく全体最適の実現を図っている.また入退院支援だけでなく,連携推進セクションを設け,提携医療機関制度の推進,疾病別拠点事業(がん相談支援センター,千葉県総合難病相談支援センター,千葉県難病医療体制整備事業,移行期医療支援センター事業等)の運営を担っており,地域連携の強化を推進している点も特徴である.
Q3 関係機関との連携・調整は?
関連機関とのスムーズな連携のために,地域連携の会の開催や提携医療機関制度の実施,救急搬送患者を中心とした連携病院とのコンソーシアムである「CHIBA e-link」の構築,自治体からの受託事業等を通して,多角的で多面的な連携の構築を図っている.実際の調整業務ではICTも積極的に活用しており,関係機関との情報共有や連携業務の効率化に寄与しているが,平時から顔の見える信頼関係を築いていくことが基盤であり,地域づくりが最も重要である.
Q4 特別な支援を要するケースへの対応は?
特定機能病院では特殊な医療処置を要する患者や医療依存度の高い患者も多く,特別な支援を要するケースが少なくない.また複雑な社会問題を抱えた患者が救急搬送されるケースや,虐待が疑われるケース等もあり,緊急で多種多様な対応が求められることもある.こうしたケースの対応には,専門職の高度な連携が必須であり,チームを組織することで専門性を高め,あらゆる事態に対応できるよう事前の準備を行っている.
Q5 リハビリテーションチームがかかわる生活に配慮した支援は?
患者の生活に配慮した支援には,リハビリテーションチームとソーシャルワーカー(SW)の連携が重要で,個別ケースに対して情報共有や課題解決の協議をする他,カンファレンスを定期的に開催することで,共通認識を形成している.また,個別ケース以外でも両部署の連携強化のため,合同勉強会の開催,部署間でスタッフの交換留学等を行って相互理解を深めている.特定機能病院の場合,リハビリテーションの期間は限られるため,リハビリテーション病院へ転院する際には,リハビリテーションサマリを作成し,先方へ申し送りをすることで,切れ目のない支援の継続を図っている.
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