厚生行政フォーラム
病院の機能評価と入退院マニュアル
厚生行政研究会
pp.592-593
発行日 1987年7月1日
Published Date 1987/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209102
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厚生省と日本医師会合同の病院機能評価に関する研究が4月にまとまり,報告書が出された.病院が国民に質の良い医療を提供するために,自らの病院の優れた点・改良すべき点を知ることはたいへん重要なことである.この研究会がまとめた「病院機能評価マニュアル」は,もうご存じのことと思うが,①病院設置の基本的な方針についての「基本的事項」,②地域医療からみた病院の機能についての「地域ニーズの反映」,③患者の立場からみた病院の機能についての「患者の満足と安心」,④医学的・質的にみた診療の内容についての「診療の学術性」,⑤効率的な医療を提供するための適正な病院運営についての「病院運営管理の合理性」の5つから構成されている.
このマニュアルは,患者サービスの項目については評判が高い.ところが,私たちの見るところ診療の学術性の項目についてはどうも内容が不十分のように思われる.これは医師の診療に対する自由裁量を意識し過ぎたため,診療内容について突っ込んだ評価をすることができなかったのが原因と思われる.患者としてみれば,一番関心の深いところであるから,もっと踏み込んだ評価の仕方があってもよかったと思われる.特に,病院にとって重要な入院治療については,その内容についてもっと評価しなければならない項目があるように思われる.
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