Japanese
English
特集 脳卒中生活期—QOL向上にむけて
運動機能障害
Motor dysfunction
勝谷 将史
1
Masashi Katsutani
1
1社会医療法人甲友会西宮協立リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Koyukai Social Medical Corporation Nishinomiya Kyoritsu Rehabilitation Hospital
キーワード:
痙縮
,
脳卒中後中枢性疼痛
,
廃用症候群
,
医療介護連携
Keyword:
痙縮
,
脳卒中後中枢性疼痛
,
廃用症候群
,
医療介護連携
pp.133-140
発行日 2025年2月10日
Published Date 2025/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530020133
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はじめに
脳卒中生活期は急性期・回復期でのリハビリテーション治療が終了し,病院という治療のための環境から,自宅や施設など生活を主体とした環境に移行する.リハビリテーション治療により改善した身体機能は生活の場での活動を支え,活動範囲の拡大から社会参加につながることが生活期での生活の質(quality of life:QOL)の向上につながる.しかしながら生活期の環境は病院と比較して,玄関の上り框や段差や階段などさまざまなバリアがあり,屋外も段差や車道に傾いた歩道,混雑する人混みや公共交通機関の利用など,活動範囲を拡大するには多くの環境的バリアがある.さらに急性期・回復期では毎日あったリハビリテーション治療は終了し,デイケアやデイサービス,訪問リハビリテーションなど,介護保険でのサービスが主体となっている.
一般的に脳卒中による後遺障害は発症後180日前後で症状固定とされ,身体障害者手帳の申請が可能となるが,生活期の生活環境やさまざまなライフイベント,時間経過により身体機能は変化し,運動機能障害は変化する.本稿では生活期のQOLにかかわる運動機能障害とその影響について,評価とリハビリテーション治療に主眼を置いて解説していく.
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