巻頭カラー リハビリテーション科医が知っておくべき最新の義肢構成パーツ
3.最新のソケット「ダイレクトソケット」
山崎 健治
1
1川村義肢株式会社
キーワード:
ダイレクトラミネーション
,
ソケット適合
,
技術の標準化
,
短納期
,
義足リハビリテーション
Keyword:
ダイレクトラミネーション
,
ソケット適合
,
技術の標準化
,
短納期
,
義足リハビリテーション
pp.831-835
発行日 2024年8月15日
Published Date 2024/8/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033090831
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はじめに
~義足リハビリテーションの課題~
切断者の義足リハビリテーションを進めるうえで,義足が適合しているか否かは大きなポイントとなる.適合というと大きな概念となるが,要は義足を構成する各要素がリハビリテーションに支障をきたさないレベルに達していることが重要である(表1).
臨床場面で義足が問題となるケースとして,ソケット形状が断端と合わなくなり発生するトラブルが挙げられる.具体的には,断端に痛みが生じる・痛みが原因で歩行訓練に支障をきたす・傷ができてしまうという,ソケットのフィッティングに関する問題が挙げられる.
ソケットの適合は,義肢装具士(以下,PO)の経験値に依存する部分であり,実際に義肢に積極的に携わっているPOは存外少ない現状を鑑みると,大きなボトルネックとなり得る.また,リハビリテーションに支障をきたす要因として義足の作製期間が挙げられる.義足は既製品ではなく患者に合わせたオーダーメイドとなるため,どうしても作製期間が生じてしまい,その間,義足がない状態でのリハビリテーションを強いられてしまう.患者側からの問題として,コロナ禍で面会制限の影響もあったのか,患者が早期退院を切望してリハビリテーションの計画を前倒しにしたケースを筆者も何度か経験している.
以上の課題が影響すると当初想定していた計画から乖離してしまい,訓練が上手く進まずにリハビリテーションの質を担保できない恐れがある.
本稿で取り上げるダイレクトソケット(以下,DS)は,上記の課題を解決する手段となり得る画期的なソケットである.
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