Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
内容のポイント Q&A
Q1 リハビリテーションの概略は?
急性期の心臓リハビリテーション(以下リハ)は,ICU・CCUまたは病棟において監視下で実施される.その目標は,食事・排泄・入浴等,身の回りの生活が安全に行えるようになること〔activities of daily living(ADL)の自立〕,再発予防教育を開始することである.急性期心臓リハを包含するクリニカルパスも用いられる.300 m以上歩行可能であれば離床プログラムから運動療法プログラム(前期回復期)に移行する.
Q2 障害の合併により生じる注意点は?
陥りやすい状況としては,急性期治療(侵襲的治療や薬物療法)を優先するあまり,患者の安静が重視され,積極的離床について考慮されないことである.この時期に安静臥床期間が長くなると,運動耐容能の低下やフレイルの進行をきたすため,急性期治療と並行して早期からの離床プログラムを開始し,早期の運動療法につなげていくことが重要である.
Q3 フォローすべき症状や検査は?
心機能や腎機能に関する検査はもちろんであるが,これらは安静時の評価であることが多い.リハでは,患者の身体活動時における循環動態や身体活動能力を評価することが重要である.患者を座らせて,立たせて,歩かせる動作,さらには更衣,食事や入浴動作における症状(息切れ,疲労感,胸痛,動悸)や循環指標の変化(血圧,脈拍,Borg指数,酸素飽和度)に着目することが必要である.また,日々の体重の変化や下肢浮腫の変化にも着目する.
Q4 リハビリテーションの効果(QOL,生命予後)は?
心臓リハに関する,再発・再入院予防やQOL改善,生命予後延長に関するエビデンスは確立している.急性期心臓リハは回復期・維持期につなげていくためのファーストステップにあたり,患者教育・指導では医師ならびに医療従事者の果たす役割は非常に大きい.
Copyright© 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All rights reserved.