4．下肢装具（治療用装具）

はじめに

　下肢装具の主な目的は，下肢関節における，変形の予防と矯正，病的組織の保護，失われた機能の代償，免荷等であり，足関節の内・外反不安定や尖足等の足部変形，膝関節の不安定等がある場合に，立脚期の安定化と歩容の改善，膝伸展筋の賦活化等の目的等でも用いられる 1-5）．この目的は，治療用下肢装具でも同様である．しかし，治療用下肢装具は，疾病または負傷の治療遂行上必要なものとして医療機関において医師の指示のもとに処方されるものであり，さらに医師はその装着期間を決める必要があり，健康保険法等に定められているものとなる 6）．