スポット
心臓カヘキシア患者に対する栄養介入効果の検討
沖野 優佳
1
Yuka Okino
1
1国家公務員共済組合連合会 呉共済病院 栄養指導科
pp.722-724
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn147060722
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はじめに
近年,日本国内において心不全患者数は増加の一途をたどっており,この増加は高齢化社会の進展と相まって「心不全パンデミック」と呼ばれるほどの影響を及ぼしている.心不全患者は急性増悪を繰り返す傾向にあり,その増悪誘因として食塩・水分制限の不徹底がもっとも多いとされていることから1),従来,入院中の栄養管理は食塩制限食の提供および減塩指導が主体であった.
肥満は心不全の発症リスクである一方で,進行した心不全では心臓カヘキシアを背景とした体重減少が生じやすく,BMIが低いほど予後不良であることが2,3)“obesity paradox”として知られており4),心臓カヘキシア患者の1年死亡率は約50%とも報告されていることから5),適切な栄養評価と継続的な栄養管理の必要性が高まっている.
本稿では,急性期病院における心臓カヘキシア患者に対する栄養介入の実態と,その介入が栄養充足率および再入院率に与える影響を検討した研究結果を基に,栄養管理の重要性について考察する.

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