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サルコペニア・フレイルの予防・改善に関するデジタルヘルスのためのガイドライン
山本 浩一
1
Koichi Yamamoto
1
1大阪大学大学院 医学系研究科 老年・総合内科学
pp.614-616
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn147050614
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はじめに
超高齢社会の日本において,筋肉量や筋力の減少(サルコペニア)や心身の虚弱状態(フレイル)の適切な管理は医療上の重要な課題である.これらの状態は転倒や骨折のリスクを高め,要介護状態につながりやすく,本人の生活の質を大きく低下させる.同時に,医療費や介護費の増大という社会的問題も深刻化している.
こうした中で,スマートフォンやウェアラブル機器などのデジタル技術が急速に普及し,健康管理の新しい手段として注目されている.これらの技術を活用することで,一人ひとりに合わせた予防プログラムの提供や継続的な健康状態の把握が可能になり,従来の医療・介護のあり方に変化をもたらす可能性が期待されている.
本稿では日本サルコペニア・フレイル学会や日本老年医学会のメンバーが日本医療研究開発機構(AMED)の支援により作成し,2024年に発表した「サルコペニア・フレイルの予防・改善に関するデジタルヘルスのためのガイドライン」1)について紹介する.なお,このガイドラインではデジタル技術だけでなく,従来から効果が確立されている運動療法や栄養療法などの非薬物療法についても改めて検証を行っている(詳細は省略).

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