特集 予後改善を目指した透析医療
8.フレイル,サルコペニアはこのように予防・改善する
加藤 明彦
1
1浜松医科大学医学部附属病院血液浄化療法部
キーワード:
診断基準
,
エネルギー摂取
,
分岐鎖アミノ酸
,
筋肉トレーニング
,
有酸素運動
Keyword:
診断基準
,
エネルギー摂取
,
分岐鎖アミノ酸
,
筋肉トレーニング
,
有酸素運動
pp.1113-1120
発行日 2017年7月10日
Published Date 2017/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000136
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超高齢社会を迎え,老年症候群の一症候であるフレイル,サルコペニアに早く対応することが,透析患者の予後改善に重要である.早い時期からフレイル,サルコペニアに気づくためには,まずは関心をもち,診断基準を知っておく必要がある.サルコペニアの診断基準では,筋肉量は電気インピーダンス(BIA)法または二重エネルギーX 線吸収(DXA)法で評価する.しかし最近では,第3 腰椎レベルの腹部筋肉面積が肝疾患患者のサルコペニア判定に利用できることが報告されており,透析患者に応用できる可能性がある.フレイルの診断基準は統一されていないが,日本人高齢者ではJ―CHS 基準や介護予防チェックリストが利用できる.フレイル,サルコペニアの予防・改善には,栄養と運動の両面から介入する必要がある.栄養面では透析日および非透析日とも,分岐鎖アミノ酸を中心としたたんぱく質を十分に確保する.一方,運動では週3〜4 回の筋肉トレーニングや有酸素運動がサルコペニア予防に有効である.
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