Japanese
English
焦点 ソーシャル・サポート・3
コストと葛藤—ソーシャル・サポートの否定的側面
Cost and Conflict: The Darker Side of Social Support
V. P. Tilden
1
,
R. D. Galyen
2
,
小泉 滋子
3
1Oregon Health Science大学精神衛生看護学部
2Linfield College地域精神衛生看護学部
3埼玉県立衛生短期大学
pp.331-336
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200933
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Kuhn(1970)は,科学的知識は,知的危機と知的革命の時期を経て,動的に発展すると述べた。それまでに蓄積した知識で変則例が説明できなくなった時,続いて批判,削除,精練が起こる。これは最終的に,変則例をよりよく説明できる改良パラダイムとなる。やがて新しい変則例が次の危機と革命を促す。
ソーシャル・サポートは長い間"人気者"として科学的是認を受け続けてきた。20年以上にわたる健康調査が,ソーシャル・サポートをゆるぎない変数にした。多くの研究により,ソーシャル・サポートは,控え目だが意味深い,健康状態の変化割合であると,一貫して説明されてきた。今では古典となってしまったNuckolls,Cassel,Kaplan(1972)らの初期の研究は,興奮をもって迎え入れられ,その結果,研究が盛んになった。ソーシャル・サポートは"アタッチメント(愛着行動)"や"統制の位置(locus of control)"†などの概念と結びついて,新しい万能薬となった。急増した研究によって,ソーシャル・サポートがなぜ,そしてどのように機能するかが解明されてきた。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.