特集 口腔ケアに目を向ける
高齢者に関わる多職種の連携で喫食障害への取り組みを
鈴木 俊夫
1
,
志摩 愛子
1
,
松本 洋枝
2
1鈴木歯科医院
2訪問看護ステーションすずき
pp.852-854
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100339
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「栄養改善」「在宅重視」の動きと訪問看護ステーションへの期待
高齢者の栄養状態をみると,在宅では約30%,施設では約40%が低栄養と報告されており1),低栄養の改善が,褥瘡,誤嚥性肺炎,感染の予防に効果をもたらすとされている。医療費や介護給付費の削減,入院患者や入所者のQOLの向上をめざして,国はその対策に着手しはじめ,2005(平成17)年10月からは,介護保険施設に栄養ケアマネジメントが導入された。また,2006(平成18)年4月からは居宅サービスにも栄養改善が導入された。
一方,同年4月には診療報酬・介護報酬の大幅な減額改定があり,7月からは療養病床に対する診療報酬の大幅減額が実施され,さらに2012(平成24)年をめどに医療療養病床が25万床から15万床に削減,介護療養病床は廃止が予定されるなど,国は入院・入所から在宅へ向けた動きを加速させている。それに伴って訪問看護ステーションの機能の充実が求められているが,今後は,栄養や食事をキーワードに,歯科医師や歯科衛生士,管理栄養士との連携もますます求められよう。一方で,口腔についての知識があまり十分でない在宅医や介護支援専門員との関係など,訪問看護ステーションにとっては多くの問題も山積している。
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