特集 健診で異常を指摘された人へのベストガイド
【一般健康診断での異常】
一般健康診断での異常―血糖検査
石橋 里江子
1
,
石井 均
1
1天理よろづ相談所病院内分泌内科
キーワード:
空腹時血糖
,
食後血糖
,
糖尿病型
,
境界型
,
HbA1c
Keyword:
空腹時血糖
,
食後血糖
,
糖尿病型
,
境界型
,
HbA1c
pp.318-320
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100582
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Case
境界型糖尿病の段階で通院を中断し,2年後にケトーシスをきたして入院した2型糖尿病の1例
患 者:43歳,男性.
既往歴:30歳頃より脂肪肝を指摘されている.
家族歴:糖尿病なし.
現病歴:41歳時に職場の定期健康診断で空腹時血糖112 mg/dl,HbA1c 5.9%と精査を勧められて来院.75 gOGTTにて空腹時血糖108,1時間後199,2時間後167 mg/dlと境界型と診断された.肥満があり,食事および運動療法を指導されたが,3カ月後には受診を自己中断した.2年後の夏,口渇感と全身倦怠感が出現して久しぶりに受診したところ,随時血糖687 mg/dl,HbA1c 9.8%,尿糖4+,尿ケトン2+とケトーシスが認められ入院.インスリン療法にて血糖は安定し,退院時には食事と運動療法のみでコントロール可能となった.
糖尿病の急増に伴い,合併症によるQOLの低下が世界的問題となっている.耐糖能異常を早期に発見するために,健診データという貴重な手がかりをどうすれば最大限に生かせるであろうか.
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