Japanese
English
特集 若い女性の「やせ」
若年女性の痩身志向と糖尿病治療薬・肥満症治療薬の適応外使用による健康被害:現状と症例報告
-――日本社会におけるルッキズムの蔓延と医療現場の課題
Young women’s desire to lose weight and health hazards caused by unintended use of diabetes and obesity medications:Current status and case reports
――The prevalence of lookism in Japanese society and issues facing the medical field
山下 滋雄
1
Shigeo YAMASHITA
1
1地域医療機能推進機構(JCHO)東京山手メディカルセンター糖尿病内分泌科
キーワード:
GLP-1受容体作動薬
,
GIP/GLP-1受容体作動薬
,
適応外使用
,
自由診療
,
健康被害
Keyword:
GLP-1受容体作動薬
,
GIP/GLP-1受容体作動薬
,
適応外使用
,
自由診療
,
健康被害
pp.1066-1069
発行日 2026年3月21日
Published Date 2026/3/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296121066
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
現代日本社会では,若年女性の “細いことが美しい” という価値観が強まり,過度な痩身志向が深刻な健康問題となっている.日本肥満学会は “女性の低体重/低栄養症候群” を提唱し,警鐘を鳴らしているが,SNSやメディアの影響で理想の体型像が拡散し,現実とのギャップが広がっている.そのなかで,糖尿病治療薬や肥満症治療薬(GLP-1受容体作動薬など)の適応外使用が急増し,適切な医学的評価やフォローアップが不足したまま,自由診療やオンライン診療で広く利用されている.これらの薬剤は本来,医学的適応のある患者向けであるが,痩身目的での乱用が健康障害や副作用のリスクを高めている.特に若年女性の間では,低体重や摂食障害,骨密度低下,精神的依存といった被害が多発しており,医療現場でも救急搬送例が増加している.現状では,医療機関の経営的課題や製薬会社の利益追求,行政の実態把握と規制の不十分さも問題を複雑化させている.医療従事者によるリスク説明と厳格な管理,患者への啓発,社会全体での “健康的な美しさ” への価値観転換が急務であり,医療・教育・社会が連携して包括的な対策を講じる必要がある.

Copyright © 2026 Ishiyaku Publishers,Inc. All Rights Reserved.

