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特集 制御性T細胞の多面的役割と臨床応用――免疫寛容からがん治療まで
腫瘍免疫におけるTh1型制御性T細胞の役割
Role of Th1-type Treg in tumor immunity
山本 雅裕
1,2,3,4
Masahiro YAMAMOTO
1,2,3,4
1大阪大学微生物病研究所(RIMD)感染病態分野
2同免疫学フロンティア研究センター(IFReC)免疫寄生虫学教室
3同感染症総合教育研究拠点(CiDER)
4同ワクチン開発拠点先端モダリティ・DDS研究センター(CAMaD)
キーワード:
Th1型制御性T細胞(Th1-Treg)
,
血小板第4因子(PF4)
,
がん付随マクロファージ(TAM)
,
VeDTRマウス
Keyword:
Th1型制御性T細胞(Th1-Treg)
,
血小板第4因子(PF4)
,
がん付随マクロファージ(TAM)
,
VeDTRマウス
pp.767-773
発行日 2026年2月21日
Published Date 2026/2/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296080767
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がんは,がん細胞とがん細胞に酸素と栄養を供給する血管からだけで成り立っているのではなく,さまざまな免疫細胞が浸潤し,複雑ながん微小環境を作り上げている.このがん微小環境には,本来ならばがん免疫を担う免疫細胞ががん細胞によって改変され,がん免疫を強力に抑制する免疫細胞が大量に含まれている.制御性T細胞(Treg)は獲得免疫のブレーキ役であり,健康な個体において過剰な免疫を抑え自己免疫を防ぐ役割を担っている.がん微小環境にはTreg亜集団のひとつであるTh1型Treg(以下,Th1-Treg)が蓄積し,さらにTh1-Treg蓄積に,がん微小環境に存在する別の免疫細胞であるマクロファージの亜集団が関与することがわかってきた.このマクロファージの亜集団は血小板第4因子(PF4)とよばれる液性因子を分泌し,TregをTh1-Tregへと分化することを促している.また,PF4を人為的に除去することによってTh1-Tregのがん微小環境への蓄積を阻害でき,がん免疫を再活性化できた.本稿では,がん免疫におけるTh1-Tregの役割とその誘導機構,そしてTh1-Tregを標的にしたがん免疫戦略について概説する.

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