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第5土曜特集 革新する腎臓病学――臨床と研究の最前線
社会的側面と今後の課題
保存的腎臓療法(CKM)
-――患者QOLと腎不全医療
Conservative kidney management(CKM)
――Quality of life and treatment for patients with end-stage kidney disease
中川 直樹
1
Naoki NAKAGAWA
1
1旭川医科大学内科学講座循環器・腎臓内科学分野
キーワード:
末期腎不全
,
保存的腎臓療法(CKM)
,
共同意思決定(SDM)
,
緩和ケア
Keyword:
末期腎不全
,
保存的腎臓療法(CKM)
,
共同意思決定(SDM)
,
緩和ケア
pp.554-559
発行日 2026年1月31日
Published Date 2026/1/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296050554
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近年,高齢化社会の進展に伴い,従来の腎代替療法(透析や腎移植)だけでは対応が難しい末期腎不全患者が増加している.認知症や重度のフレイル,がんなどの合併症を抱える患者にとって,透析は身体的・精神的に大きな負担となり,QOL(生活の質)を著しく低下させる可能性がある.このような背景から,透析を行わない代わりに,吐き気や呼吸困難といった腎不全に伴う苦痛を薬物や食事療法で積極的に緩和し,患者のQOL維持を最優先する医療である保存的腎臓療法(CKM)という選択肢が重要視されている.この治療方針は,患者本人,家族,そして医療チームが,患者の価値観や死生観を尊重しながら共同で意思決定することが不可欠である.CKMの導入は,末期腎不全の診断時から検討され,患者の身体的・精神的苦痛の両面に対応する多職種連携が求められる.CKMは,患者の人生の最終段階をその人らしく,尊厳をもって生きるための重要なアプローチであり,今後の腎臓病医療のあり方を再考させる概念である.

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