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特集 高齢化社会の腎泌尿器疾患診療UpToDate
各論―高齢者の腎代替療法
腎代替療法導入基準(血液透析,腹膜透析,腎移植)
Criteria for introducing renal replacement therapy
中元 秀友
1
,
井上 清彰
2
,
有馬 博
3
NAKAMOTO Hidetomo
1
,
INOUE Kiyoaki
2
,
ARIMA Hiroshi
3
1埼玉医科大学総合診療内科
2葵会西多摩病院腎臓内科
3葵会AOI八王子病院腎臓内科
キーワード:
腎代替療法
,
血液透析
,
腹膜透析
,
移植
,
導入基準
,
共同意思決定(SDM)
,
保存的腎臓療法(CKM)
Keyword:
腎代替療法
,
血液透析
,
腹膜透析
,
移植
,
導入基準
,
共同意思決定(SDM)
,
保存的腎臓療法(CKM)
pp.707-715
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000722
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はじめに
透析導入の基準としてよく知られているものに,平成3(1991)年度厚生科学研究腎不全医療研究事業研究により作成された「血液透析患者適応の基準」(厚生科研基準)1)がある(表1)。これはⅠ.臨床症状で30点満点,Ⅱ.血清クレアチニン(Cr)あるいはクレアチニンクリアランス(Ccr)を腎機能の指標とした評価で30点満点,さらにⅢ.日常生活障害度で30点満点,それにⅣ.年齢および全身性血管合併症で10点満点,合計100点のうちⅠからⅣの合計点数が60点以上となった場合に透析導入とするものである。この基準は世界に先駆けて決められた「慢性維持透析療法の導入基準」であり,腎機能だけではなく臨床症状や日常生活障害度などから総合的に判断する画期的な基準であった。その後のわが国を含めた透析導入基準が主に腎機能(糸球体濾過量:GFR)を基準として決定するなかで,今でも一部で使用されている。
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