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第5土曜特集 革新する腎臓病学――臨床と研究の最前線
進化する治療と技術革新
次世代薬の展望
-――ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MR拮抗薬)とアルドステロン合成酵素阻害薬(ASi)
Future perspectives of next-generation therapeutics
――Mineralocorticoid receptor antagonists and aldosterone synthase inhibitors
柴田 茂
1
Shigeru SHIBATA
1
1帝京大学医学部内科学講座
キーワード:
ミネラルコルチコイド
,
アルドステロン
,
コルチゾール
,
蛋白尿
Keyword:
ミネラルコルチコイド
,
アルドステロン
,
コルチゾール
,
蛋白尿
pp.510-514
発行日 2026年1月31日
Published Date 2026/1/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296050510
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アルドステロンは,ミネラルコルチコイド受容体(MR)への結合と転写活性化を介して体液量と電解質を制御するステロイドホルモンであり,食事摂取量とのバランスで生理的範囲を超えて作用が過剰になると,高血圧や心腎障害を引き起こす.レニン-アンジオテンシン(RA)系の理解が進み,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)が普及することで,高血圧や慢性腎臓病の管理改善につながった.しかし,脳心血管病や慢性腎臓病進展の残余リスクが依然として存在し,その分子基盤の一端として,アルドステロン-MR系を介した臓器障害の関与が明らかになりつつある.MR拮抗薬は慢性心不全治療の標準薬のひとつとして確立されており,近年ではMRに対する選択性を高めた非ステロイド型MR拮抗薬が開発されている.フィネレノンは慢性腎臓病に,エサキセレノンは高血圧管理に有用な薬剤として,広く認知されつつある.一方,アルドステロン合成酵素阻害薬(ASi)は,副腎でのアルドステロン生成そのものを抑制する新規治療薬であり,baxdrostat,vicadrostat,lorundrostatなどの薬剤が,血圧管理やアルブミン尿の減少をアウトカムとした臨床試験で有望な結果を示している.今後はMR拮抗薬とASiを適切に使用することで,心腎代謝症候群の予後改善を目指す治療戦略が期待される.

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