FORUM 人間社会の未来――専門家が予見する人類の行方・Vol.6
食文化の変容
-――伝統と革新の狭間で変わる食と健康
野林 厚志
1
Atsushi NOBAYASHI
1
1国立民族学博物館グローバル現象研究部
pp.1131-1134
発行日 2025年12月13日
Published Date 2025/12/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295111131
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はじめに
台湾にある周囲40kmほどの小島,蘭嶼を20数年ぶりに訪れた.筆者は大学院生時代に同島で,根菜農耕がどのように考古学的な痕跡を残していくのかという民族考古学的な研究課題に取り組んだ.この島にはタオ族とよばれる先住民族が住み,主食をサトイモやタロイモ,タンパク源を魚類に頼る食生活を営んできた1).私が経験した島のメニューは,蒸かしたサトイモやタロイモ,炊いた魚やそのスープ,居候先の家主の気分次第では,焚くか焼いた豚肉,米,缶詰の魚と,毎日ほぼ決まっていた.

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