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特集 補体と腎疾患:温故知新
腎疾患への抗補体薬の作用機序と有効性
ペグセタコプラン
Pegcetacoplan
西村 純一
1
NISHIMURA Jun-ichi
1
1大阪大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学
キーワード:
ペグセタコプラン
,
C3腎症
,
IgA腎症
,
ループス腎炎
,
膜性腎症
Keyword:
ペグセタコプラン
,
C3腎症
,
IgA腎症
,
ループス腎炎
,
膜性腎症
pp.119-123
発行日 2024年7月25日
Published Date 2024/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001404
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はじめに
抗補体薬であるヒト化抗C5単クローン抗体(エクリズマブ)が,発作性夜間ヘモグロビン尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria:PNH)の治療薬として開発され,補体介在性血管内溶血に対する劇的な抑制効果から,わが国においても2010年に承認に至った1)。その後,PNH領域においては治療の最適化を目指して,抗C5リサイクリング抗体(ラブリズマブ2),クロバリマブ3)),C3阻害薬(ペグセタコプラン4)),D因子阻害薬(ダニコパン5)),B因子阻害薬(イプタコパン6))などが開発される一方で(図1),さまざまな補体異常症(補体関連成分そのものの異常により補体制御異常をきたすもの),補体関連疾患(何らかの病態により補体制御異常をきたすもの)に対してさまざまな抗補体薬が開発途上にある。本稿では,腎疾患(急性糸球体腎炎,全身性エリテマトーデス,非典型溶血性尿毒症症候群,膜性増殖性糸球体腎,C3腎症,腎移植など)に対して開発されている抗補体薬(図1)のうち,ペグセタコプランについて概説する。
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