Japanese
English
特集 病理からせまる腎疾患の病因・病態解明
特殊技術を駆使した腎疾患の病態解明
卓上型低真空走査電子顕微鏡(LV-SEM)を用いた腎生検の病理学的解析
Pathological analysis of the kidney biopsy using low vacuum scanning electron microscopy(LV-SEM)
本田 一穂
1
,
康 徳東
1
,
澤 智華
1
,
川西 邦夫
1
,
南雲 佑
2
,
髙木 孝士
1,3
HONDA Kazuho
1
,
KANG Dedong
1
,
SAWA Chika
1
,
KAWANISHI Kunio
1
,
NAGUMO Tasuku
2
,
TAKAKI Takashi
1,3
1昭和大学医学部解剖学講座顕微解剖学部門
2昭和大学医学部臨床病理診断学講座
3昭和大学電子顕微鏡室
キーワード:
LV-SEM
,
反射電子
,
二次電子
,
EDX(EDS)
,
免疫電顕
Keyword:
LV-SEM
,
反射電子
,
二次電子
,
EDX(EDS)
,
免疫電顕
pp.489-496
発行日 2024年9月25日
Published Date 2024/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001476
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はじめに
簡便で高性能な卓上型低真空走査電子顕微鏡(low vacuum scanning electron microscopy:LV-SEM)を用いた病理標本の観察法は,2007年に鳥取大学解剖学の稲賀すみれ先生らの日本組織細胞化学会における報告にはじまる。2009年の日本病理学会でこの観察法を知った日本医科大学病理学の山中宣昭先生は,光顕病理切片をそのまま三次元的に電顕レベルで観察できるこの方法の新規性と重要性にいたく感動し,自ら精力的に腎生検標本のLV-SEM観察に取り組んだ。本稿では,まず,LV-SEMの原理や特性について述べ,次にLV-SEMを用いた腎生検診断についてのこれまでの研究成果を振り返り,LV-SEMを用いた病理診断法の今後の課題について考察する。さらに,最近試みられているLV-SEMの免疫電顕への応用や透過電子顕微鏡(transmission electron microscopy:TEM)の代用の可能性などについても概説する。
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