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特集 電子顕微鏡が照らす医学研究の最前線
脳動脈瘤の病態形成機構の解明における電子顕微鏡の貢献
The mechanisms regulating the pathogenesis of intracranial aneurysm revealed by electron microscopic analyses
青木 友浩
1
Tomohiro AOKI
1
1東京慈恵会医科大学薬理学講座
キーワード:
脳動脈瘤
,
三次元構造
,
細胞形態
,
細胞活性化
,
連続ブロック表面走査型電子顕微鏡(SBF-SEM)
Keyword:
脳動脈瘤
,
三次元構造
,
細胞形態
,
細胞活性化
,
連続ブロック表面走査型電子顕微鏡(SBF-SEM)
pp.566-570
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295070566
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脳動脈瘤は,脳血管壁内での慢性炎症反応に形作られる病態である.脳動脈瘤の病態形成機構の解明には,電子顕微鏡観察がおおいに寄与した.特に連続ブロック表面走査型電子顕微鏡(SBF-SEM)が,三次元での細胞形態の解析や細胞内小器官の観察による細胞の活性化状態の解析などで,他の解析機器では代替不可能な知見をもたらした.たとえば,脳動脈瘤の病理組織学的特徴として認知されている中膜平滑筋細胞の変形様式の解明,脱分化した平滑筋細胞より形成される内膜下肥厚病巣の構造の解明,脳血管壁外膜部に存在する線維芽細胞の活性化の同定である.特徴的なこととして,本来は超微小構造を観察するために開発された電子顕微鏡システムではあるが,SBF-SEM使用ではむしろ,弱拡大での病変内部の細胞形態の観察が有用であった.

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