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特集 てんかん診療のパラダイムシフト――診断・治療・ケアの進歩
てんかん内科的治療の進歩
-――抗てんかん発作薬,重積治療含む
A paradigm shift in epilepsy care
――Advances in diagnosis, treatment and care
白石 秀明
1
Hideaki SHIRAISHI
1
1獨協医科大学小児科学
キーワード:
抗てんかん発作薬
,
薬物療法
,
てんかん内科的治療
Keyword:
抗てんかん発作薬
,
薬物療法
,
てんかん内科的治療
pp.495-503
発行日 2025年11月8日
Published Date 2025/11/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295060495
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抗てんかん発作薬は21世紀に入って大きく変化した.これまで存在していた約15種類の薬剤から,現在は倍以上の薬剤が使用されるようになった(図1).単剤使用での治療可能性の増加はもちろんのこと,複合的薬物使用の組み合わせは何10倍にもなり,治療の可能性は限りなく増えている.抗てんかん発作薬治療ではできるだけ単剤を使用することが基本であり,効果的な抗てんかん発作薬を過不足なく,集中的に使用することが重要である.また,その選択に関しては正確なてんかん症候群分類が最も重要である.また,昨今の抗てんかん発作薬開発においては,疾患特異的な薬剤が上市されてきている.ドラベ症候群におけるスチリペントール,フェンフルラミン,結節性硬化症におけるビガバトリン,エベロリムスがそれにあたる.これら薬剤の治療適応疾患の拡大への取り組みが行われてきており,抗てんかん発作薬の治療選択の幅は拡がってきている.日本神経学会では,2018年に「てんかん診療ガイドライン2018」を策定し,てんかん診療における基本的な治療指針を公表した1).国際的には現在のところ,2022年4月に公表されたNICEによる「Epilepsy in children, young people and adults」が代表的なガイドラインであり続けており,そのアップデート版が2025年1月に発表された2).本稿では,上述のNICE 2022に準拠し,現在のてんかん内科的治療に関して紹介する.

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