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Ⅰ.緒 言
難治てんかん(薬剤抵抗性てんかん)とは,適切な薬物療法にもかかわらず,発作抑制が1年以上行われていない症例を指す(てんかん治療ガイドライン2010).もっとも,「難治」とは相対的な用語で,治療にあたる医療者の技術に依存するので,医学用語としては適切ではない.難治症例を治療する究極的な方法が,てんかん外科手術である.近年の神経画像技術の進歩により,上記の「難治」症例は減少しつつある.
てんかん診断・治療において,脳波などの生理学的検査と,神経画像検査,さらに神経心理学的検査が重要な役割を担っている.てんかん診断における神経画像検査としては,magnetic resonance imaging(MRI),functional MRI(fMRI),computed tomography(CT),magnetic resonance spectroscopy(MRS),single photon emission CT(SPECT),positron emission tomography(PET),near-infrared spectroscopy(NIRS),magnetoencephalography(MEG)が挙げられる.これらの神経画像検査は,画像分解能において,それぞれ特性があると考えられる.画像分解能には,空間分解能と時間分解能があり,各種神経画像検査における空間分解能と時間分解能の相関をFig.1に示す.この相関図の中で,てんかん原性焦点を指し示す空間分解能は,MRIのほうがPETに優る.その一方で,PETは機能的な評価,MRIは解剖学的な評価に有用であり,お互いが相補的に関与し合っている.
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