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特集 てんかん診療のパラダイムシフト――診断・治療・ケアの進歩
小児てんかん診断の進歩
Advances in the diagnosis of paediatric epilepsy
本田 涼子
1
Ryoko HONDA
1
1国立病院機構長崎医療センター小児科
キーワード:
小児てんかん
,
診断技術の革新
,
脳波検査
,
画像検査
,
遺伝学的検査
Keyword:
小児てんかん
,
診断技術の革新
,
脳波検査
,
画像検査
,
遺伝学的検査
pp.491-494
発行日 2025年11月8日
Published Date 2025/11/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295060491
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過去20~30年で小児てんかん診断は飛躍的に進歩した.脳波検査ではデジタル化と高精度解析により発作検出,分類精度が向上した.画像診断では3テスラMRIや高分解能シークエンス,定量的画像解析,非侵襲的脳機能イメージングにより微小病変の可視化が可能となり,構造的病因の同定や外科治療適応の判断に貢献している.さらに,これらの解析技術にはAI技術の活用も期待される.遺伝学的診断では,次世代シークエンス(NGS)により素因性てんかんの原因遺伝子が迅速に特定でき,診断精度の向上のみならず,治療方針の個別化や将来的なオーダーメイド治療への道を開いた.これらの技術は相互に補完し,脳波・画像・遺伝情報を統合した包括的診断により,小児てんかん患者個々の最適化医療が可能となっている.今後も技術革新とデータサイエンスの融合による,より早期で精密な診断と精密医療(precision medicine)の展開が期待される.

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