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特集 神経系による呼吸・循環調節――ホメオスタシスとアロスタシスによる制御
日常生活における交感神経活動による動的な動脈圧調節
-――睡眠,運動から精神的ストレスまで
Dynamic regulation of arterial pressure by sympathetic nerve activity in daily life
――From sleep and exercise to psychological stress
三木 健寿
1
,
吉本 光佐
1
Kenju MIKI
1
,
Misa YOSHIMOTO
1
1奈良女子大学生活環境学部
キーワード:
交感神経
,
動脈圧受容器反射
,
心拍数
,
動脈圧
Keyword:
交感神経
,
動脈圧受容器反射
,
心拍数
,
動脈圧
pp.286-292
発行日 2025年10月25日
Published Date 2025/10/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295040286
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生体は多様な臓器の集合体であり,各臓器の代謝活動は,睡眠や運動などの生体状態に応じて変化し,それぞれの状態に最適な血流量の配分と動脈圧の維持がなされている.動脈圧は心拍出量と総末梢血管抵抗によって決定され,交感神経がこれらの因子を迅速かつ持続的に調節する.動脈圧受容器反射は,臓器ごとに独立した並列ループ構造を持っている.運動は圧受容器反射のゲインを増加させ,制御特性を増強する.レム睡眠およびフリージング(すくみ行動,恐怖や不安により誘発)時には,臓器特異的に交感神経活動と圧受容器反射カーブが変化し,最適な臓器間の血流量配分と動脈圧の維持が図られている.中枢神経系は,各行動状態に応じて臓器ごとに最適な血流量を配分するシナリオを持ち,日常のさまざまな状況に応じて動脈圧を安定して調節し,変化する臓器の代謝活動を支えている.

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